住宅ローンを月々10万円はきつい?収入とのバランスや計画について解説

住宅ローンを月々10万円はきつい? 収入とのバランスや計画について解説

住宅を購入する際、多くの方が住宅ローンを利用しますが、住宅ローンの月々の返済額が10万円となると、家計に与える影響は大きくなってしまいます。

この記事は以下のような疑問を持つ方におすすめの記事です。

・月々10万円の返済は一般的な家庭にとってきつい?

 

・月々10万円払えなくなったときどのように対処するの?

 

・ローンの計画はどのように立てる?

住宅ローンを組む前に、考慮すべき点や計画を見直し最適なプランを立てるために、この記事を参考にしてみてください。

住宅ローンが月々10万円だときつい理由

多くの家庭が住宅ローンの返済に苦労する理由は、単に月々の支払い額の大きさだけではありません。

住宅ローンは一般的に長期間にわたる大きな負債であり、返済計画は家計に長期的に影響を及ぼします。

また、返済額は家庭の収入だけでなく、生活費や教育費、医療費など他の必要経費とのバランスを取る必要があります。

さらに、経済状況の変動、例えば収入の不安定さや予期せぬ支出、経済的な危機など、外的要因も返済の負担を増加させる可能性があります。

ここでは、住宅ローンを組む上で考慮しなければならない問題について紹介していきます。

 

住宅を購入する際の注意点や全体像を把握し、無理のないローン計画を立てましょう。

住宅購入の際は住宅ローンの支払い以外にも支払う必要がある

住宅を購入する際、住宅の支払いにばかり気を取られてしまいがちですが、住宅を購入するためには、他にも必要となる費用があります。

どのような費用が住宅購入の際に必要となるのか、以下にピックアップします。

  • 仲介手数料住宅ローンの手数料登記依頼料
  • 免許税不動産取得費固定資産税
  • 都市計画税手付金火災
  • 火災保険や地震保険料費用
  • 引越しの際に業者に支払う費用
  • 家具・家電の購入費

上記以外にも家庭によっては必要なコストが発生します。

住宅ローンの毎月の支払金額を決める際は、必要となる費用を全て確認した上で、毎月の支払金額のシミュレーションを行いましょう。

住宅ローンに関して何か不明点がある場合は不動産会社に問い合わせ、精通した方の知見を取り入れることがおすすめです。

生活や収入の変化があった場合に対応が難しい

住宅ローンを組む際、年収が700万円を超えているというように収入が安定して高ければ月々10万円の支払金額でも問題ないかもしれません。

しかし、コロナ禍においては急に解雇されてしまい失業してしまった方、また経済活動が停滞し景気が悪くなったことで年収が減少してしまう方が多くいたように、パンデミックや社会の不況など予期せぬ状況が起こることは必ず考慮しなければなりません。

何らかの影響を受けて収入が減ってしまった場合、毎月10万円の住宅ローンの支払いは、生活を逼迫してしまいます。

社会的な要因以外にも下記のような原因で支払いのサイクルが合わなくなることがあります。

  • 家族が病気になる
  • 大きなケガをしてしまう
  • 親族に病気になった人が出てしまい看病しないといけなくなった
  • 会社が倒産してしまった
  • 会社を退職してしまった
  • リストラにあった
  • 子供が進学する
  • 車が急に故障し購入しないといけなくなった

このように様々な生活の変化というのは突発的であり金銭的に対応することが難しい場合もあります。

また、住宅ローンの毎月の返済金額は、1度決めて契約すると変更することは難しい場合があります。

そのため、毎月の返済金額を決める場合は、将来を見据え収入に合わせるよう、よく考えて決めましょう。

変動金利の影響を受けやすい

住宅ローンの金利の選択について7割近い人が変動金利を選択するとされています。

変動金利が選ばれる理由としては金利が低さが挙げられます。0.5%を下回ることも珍しくなく、固定金利よりも低い金利で返済することが出来ます。

しかし、変動金利は文字通り、一定の期間で情勢に合わせた金利を支払っていく返済方法であり、市場の動向に影響されるため支払額が一定ではなく高額になる場合もあります。

2023年12月現在の金利は低めですが、今後世界情勢の影響により金利は徐々に上がっていくかもしれないといわれています。

月々10万円の住宅ローンの変動金利支払いとなると、金利が高くなった場合に大きな金利の負担を強いられてしまいます。

金利の変動に伴い返済額を正確に予測することが難しいため、住宅ローンのような高額のお取引は十分注意する必要があります。

共働きの家庭でもきつい?

共働きで夫婦ともに正社員なので、住宅ローンの毎月の返済は多くても問題は無いと思い、月々10万円の支払金額にする家庭も少なくありません。

もちろん、月々10万円の住宅ローン返済が可能な共働きの夫婦もいます。

しかし、共働きで夫婦で正社員であっても、結局は支払いが厳しくなったという声が多く挙がっています。

共働きで2人で正社員で毎月多額の収入があるのに、なぜ月々10万円の住宅ローンの支払いが難しいのでしょうか。

共働きで月々10万円支払いが厳しくなるのは、以下のケースが挙げられます。 

  • 妻が出産と育児休暇で休む期間が多く、その期間1人分の収入となった
  • 子供の習い物にかけるお金が予想以上に多い
  • 旦那が病気になり多額の医療費がかかり、その間の収入も減った
  • 旦那が単身赴任になり2つ財布になったことで、余分な生活費がかかるようになった
  • 親が病気になり面倒を見ないといけなく、妻が会社を辞めてしまった

以上のように人生を送っていく上で家庭内の事情によって支払いが厳しくなるケースがあります。

これらのうち3つでも抱えることになると、共働きでも月々10万円の住宅ローンの支払いは無理といえる家庭は多いといえます。

共働きで月々10万円の住宅ローン返済が可能なご夫婦の場合でも、現在のご自身の年収を過信せずに返済計画や支出計画を立てた後再度細かく検討していくことをおすすめします。

住宅ローンの支払い負担を軽減する方法

住宅ローンの支払いが毎月10万円という金額は、多くの家庭にとって大きな負担になることがあります。

住宅ローンについては支払いを軽減する方法はいくつか存在しており、ここでは具体的な方法を紹介します。

しかし、以下で紹介する対策を取ることによって、長期的な目線で見た場合では結果としてコストがよりかかってしまう場合もあります。

そのため、現状の支払いを乗り切りたいのか、あるいは長期的な目線でコストを抑えたいのかといったように、ご自身がどこに重点を置いて住宅ローンと向き合うのかをご自身やご家族とご検討しながら進めていくことが必要です。

住宅ローンの返済期間を伸ばす

住宅ローンの返済期間は、ご自身やご家族の生活を守るためにも無理のない返済期間

現在の住宅ローンの最長返済期間は35年であり、35年の中で何年で返済していくことがを定めることが必要不可欠です。

自分の家庭ではどのくらいの期間の返済がベストなのかを考えて、それに年数をプラスして余裕を持たせた返済期間を定めることがおすすめです。

例えば、20年で返済したいと思ったのであれば、支払い負担を軽減するために25年ローンにすると余裕を持ちながら支払いができます。急な出費にも対応できるようになるので、生活に余裕が出てきます。

しかし、住宅ローンの返済期間を長くするということは、長くした期間分の利息を支払わなければいけない、ということになります。そのため、最終的な総支払金額は増加します。

コロナ禍により、経済的な拘束が長期化すると言われている世の中、精神的負担も増えることが予想されます。無理のない返済期間にするよう、よく考えた上で返済期間を決めましょう。

借り換え先を探してみる

当初契約をした金融機関の住宅ローンの金利が高い場合には、金利が低い借り換え先を探してみましょう。

住宅ローンの金利は、貸し手の金融機関により異なります。現在の住宅ローンの金融機関よりも低金利の金融機関のローンに乗り換えることにより、毎月の返済額を減らせます。 

低金利時に借り入れると、月々の返済額が抑えられるので支払いが楽になり、家計に余裕が生まれます。

他にも、変動金利タイプから固定金利タイプの住宅ローンに切り替えることで、金利上昇に伴う返済額の増加のリスクを軽減させることもできます。

住宅ローンの借り換えは、手続きが煩雑であることや新たな手数料や保証料が発生する可能性があるというデメリットもあるため注意が必要です。

借り換えの諸費用や、移行前と移行後で軽減できる金利の差を考えて、本当にお得になるのかを考えてから決めましょう。

住宅ローンの予算管理と支払計画のコツ

上記でも挙げているように、住宅ローンの月々の支払いが10万円というのは、多くの家庭にとっては厳しいものです。

ここでは効率的な予算管理の方法と、支払い計画を立てる上でのコツを紹介します。

賢く計画を立て、経済的な余裕を保ちながら住宅ローンの返済をスムーズに進めることがおすすめです。

元利均等返済と元金均等返済のどちらが良いか比較する

住宅ローンの返済方法には2つあり、以下があります。2つとも全くことなり、どちらにもメリットとデメリットがあるので、自分が良いと思う方を利用しましょう。

元利均等返済とは

元利均等返済は、借り入れの利率が一定の場合、月々の返済金額が同じ金額となる返済方法です。返済する金額は、元利分と利息分の2つで構成されています。

返済開始当初は、利息分の占める割合が多くなります。そのため、借入残高が減っていくのはゆっくりのペースとなってしまいます。返済回数が進んでいくうちに、元金分が占める割合が増えていきます。そのため、徐々に借入残高が減っていくペースがあがっていきます。

月々の返済金額が同じなので、支払いやすいという方もいます。しかし、最初に多く利息を返済しないといけないので、元金を毎月均等に返済したい方にはおすすめできません。

元金均等返済とは

文字通り、月々の返済額の中に占める元金が同じ金額の返済方法です。毎月一定の元金に利息をプラスした分を支払うので、借り入れ当初は支払い金額が高く、年々徐々に支払金額が下がっていきます。

借入利率が高ければ高いほど、支払いはじめ当初の金額と、支払い後半の返済金額の差が大きくなります。

毎月元金を一定の金額で返済し元金を早く減らしていきたい方に、おすすめの返済方法です。しかし、返済当初は支払い金額が高いので、支払い金額が高いのは避けたい方には、おすすめできません。

収入と支出のバランスの目安

収入と支出のバランスの目安をきちんと把握して月々の支払金額を考えないと、後に支払うことができなくなってしまう場合もあります。

収入は、今の収入を考えて住宅ローン返済計画をすると思います。しかし、いつまでも今の収入であるかどうかは、保証はできないものです。何かが発生し、少なくなることは十分にあり得ます。

また、ライフプランという大事な支出も、頭に入れなければいけません。人生は、住まいを購入して終わりではありません。その後、様々な人生があります。今後の人生設計も良く考えた上で、住宅ローンの支払い金額は毎月いくらならベストなのかを、考えましょう。

住宅ローンを月々10万円返済するため世帯年収はいくら必要?

住宅ローンを月々10万円返済するためには、世帯の年収がどの程度あるべきかは把握することは必要不可欠であり、適切なバランスを見つけることがカギとなります。

ここでは、月々10万円の住宅ローン返済を支えるために必要な世帯年収の目安と、その計算方法について詳しく解説します。

また、収入と住宅ローン返済のバランスをどのように取るか、家計に余裕を持たせながら適切に住宅資金を管理する方法についてや、理想的な住宅ローンプランを立てるための方法を紹介します。

年収500万円で月々10万円は可能?

年収500万円の家庭の場合、毎月10万円の住宅ローンの返済は、可能な数字といえます。

住宅ローンの一般的なガイドラインでは、年収の20~30%程度を返済に充てていくことが望ましいとしています。

年収500万円で計算をすると、年間の返済金額は100~150万円までとなります。

この数字を月額に割ると、年収の20%計算で約83,000円、年収の30%計算で125,000円になります。

これらの計算により、月々10万円の住宅ローンの支払いは、年収500万円の方には難しくないといえます。

年収700万円で月々10万円は比較的余裕を持って返済できる

年収700万円の方の場合は、年収の20~30%の計算でいくと、年間140~210万円の計算となります。

この金額を月ごとに割ると、約116,000円~175,000円の毎月の支払金額になります。

毎月の返済金額を10万円ずつにするなら、年収700万円の方の場合は余裕を持った返済金額になります。

負担が軽いので、生活費などの他の支出を考えても、ゆとりがある生活といえます。

物件のタイプに応じた返済額の相場

物件タイプ別の住宅ローンの返済額の相場は、事前に把握しておくことが大事となります。一般的物件タイプの住宅ローンの平均返済金額を、以下にご紹介します。

住宅のタイプ

月々の返済金額の平均

注文住宅

約145,000円

分譲戸建住宅

約106,000円

分譲集合住宅

約123,000円

中古戸建住宅

約89,000円

中古集合住宅

約84,000円

リフォーム住宅

約63,000円

住宅ローン金利の比較

こちらは弊社で作成したコンテンツを入れますので、スキップで大丈夫です。

月々10万円の住宅ローン返済が難しい場合に検討すること

月々10万円の住宅ローンの返済で契約してしまい、後に返済が厳しくなったケースは多々あるとされています。

その際、個人で悩み続けず、早めに専門的な機関に頼ったり保険制度を活用することで解決へと導くことができます。

どのような解決方法があるのかについて以下でご紹介します。

金融機関に相談する

金融機関に相談することにより、解決する場合があります。

金融機関によりますが、無理な借り入れや病気で収入が減ったなどの理由で家計が苦しくて住宅ローンの返済が苦しい場合は、相談に乗ってくれる場合があります。

相談に乗ってくれる場合の大半の提案は、現状に合わせた解決策の提示や、救済措置を差し出してくれるケースです。 

よくある救済措置といえば、以下が挙げられます。 

  • ボーナス払いの一時的な中止や減額を受けてくれる
  • 返済期間の延長を検討すし、月々の返済額を減らす
  • 一定期間元本の返済を延期する

このように、様々な提案を金融機関はしてくれます、そのため、家計を切り詰めすぎて状況が深刻化する前に、金融機関に相談して現状を変えていきましょう。

ただし、1度決めた返済方法の変更は一切受け付けない金融機関もあるので、注意しましょう。

保険適用が可能か確認する

住宅ローンを組んだ際に殆どの方が入る「団体信用生命保険(団信)」は、近年のものは病気やケガでも利用できる場合があります。 

その金融機関の住宅ローンの規約により異なりますが、「団体信用生命保険(団信)」は死亡や高度障害以外でも保証が下りる場合があります。最大疾病保障特約や8大疾病保証特約付きの「団体信用生命保険(団信)」の場合は、病気やケガの場合でも保険金を受け取ることが可能です。 

重病な病気ではなくても、病気やケガをして働けなくなった場合、「団体信用生命保険(団信)」の適用範囲を確認しましょう。

物件を売却する

住宅ローンの支払いができない場合は、早めに売却をすることも1つの重要な方法です。早めに売却することで、高い価格での買取となる場合があります。

物件売却のために不動産会社のホームページに売却物件として掲載しても、引き渡しまでは住み続けることは可能です。

任意売却をする

任意売却も物件を売買するので、上記の「物件を売却する」と意味は似ています。違う部分は、任意売却なので競売以外の方法で債務を一括返済して売却する方法になります。また、任意売却は債権者の合意がないと行うことができないことも、異なります。

以下のような場合、任意売却を利用することになります。

  • 住宅ローンの支払いを滞納しており一括返済を言い渡された場合
  • 住宅ローンを滞納していない場合でも―オーバーローンになった場合

住宅ローンの支払いを滞納してしまうと、6か月目くらいから銀行より一括請求を言い渡されます。一括請求と言われた際に競売にかけたくない場合は、債権者の合意のもとに任意売却を選ぶことができます。

また、住宅ローンを滞納していない場合でも、オーバーローンとなった場合は任意売却になる場合もあります。オーバーローンというのは、建物の売却金額よりも住宅ローンの残債が低い場合をいいます。建物を売却したにもかかわらず、残金が残っている状態です。残債は返済が必要ですが、一括返済できない場合は任意売却を選択しないといけません。

まとめ 住宅ローン月々10万円は年収によって可能

本記事を通して、住宅ローンの月々10万円の返済が、年収500万円以上であれば十分可能であることを理解していただけたことと思います。

家庭の年収が一定の水準を超えていれば、このような返済額でも財政的に安定した生活を送ることができます。しかし、重要なのは、単に返済が可能かどうかを判断するだけでなく、ライフプランや将来のリスクを十分に考慮した上で、適切なローンを選択することです。

ライフプランには、教育資金、老後の資金、緊急時の備えなど、住宅ローン以外にも多くの財政的な計画が含まれます。

住宅ローンの返済計画を立てる際には、これらの要素も考慮に入れて、全体的な財政状況を見極めることが不可欠です。

また、予期せぬ出費や収入の減少など、生活におけるリスクも考慮する必要があります。

そのためには、返済計画に柔軟性を持たせ、緊急時に返済額を調整できるようにすることが賢明です。

以上のポイントを踏まえて、賢い住宅ローンの選択を行うことで、安心して快適な住まいを実現することができるでしょう。

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