不動産投資を小さく始める方法は?少額不動産投資のデメリットや注意点も解説

不動産投資は、多額の資金が必要と思われがちですが、近年では数万円から始められるサービスも登場しています。

会社員でもリスクを抑えながら、不動産投資を小さく始められる時代になりました。

特に、副業や資産形成に関心を持つ20〜40代を中心に、無理のない堅実な投資へのニーズが高まっています。

そこで、本記事では少額から始められる不動産投資の方法を6つご紹介し、それぞれのメリットやデメリット、選び方の注意点などを詳しく解説します。

小さく始められる不動産投資の選び方にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

目次

不動産投資は貯金なしじゃ無理?少額から小さく始められる理由

かつての不動産投資は、数千万円のローンを組んで物件を購入するのが一般的でした。

しかし近年では不動産クラウドファンディングや不動産小口化商品など、1万円程度から始められる少額投資サービスが登場し、「貯金がないと無理」という常識は大きく変わりつつあります。

ローンを組まずに始められる少額投資は万が一の失敗時にも損失を最小限に抑えられるため、リスクを避けたい会社員にもおすすめです。

少ない資金でリスクを抑えて不動産投資の経験を積みながら、将来的には投資規模を段階的に広げることも可能です。

とは言え、生活資金まで投資に回すのは避け、余裕資金の範囲内で始めるのも安心材料の一つ。

不動産投資は貯金がなくても始められますが、小さく始めてコツコツ育てるのが成功への近道と言えるでしょう。

少額から始められる不動産投資の種類・方法

少額から始められる代表的な不動産投資の種類や方法を6つご紹介します。

最低投資金額や換金性、管理の手間など特徴を1つずつ詳しく解説しますので、選び方の参考にしてみて下さい。

投資方法最低投資額換金性(中途解約)管理の手間おすすめの人
J-REIT(不動産投資信託)数万円程度〜即売却可能完全放置手軽に分散投資をしたい初心者
不動産投資型クラウドファンディング1万円程度〜満期まで基本不可完全放置少額で不動産投資したい人
不動産小口化商品数十万円程度〜中途解約制限あり完全放置実物資産を持ちたいが管理はしたくない人
中古区分マンション・ワンルームマンション投資数百万円程度〜売却に時間がかかる管理会社任せ可能安定した家賃収入を得たい会社員
築古戸建て物件への投資数百万円程度〜売却に時間がかかる自己管理多め高利回り狙い、DIY好きな人
ヤドカリ投資数百万円程度〜売却は自由自宅の維持管理実物資産を自分で使いながら投資したい人

J-REIT(不動産投資信託)

J-REIT(不動産投資信託)は、投資家から集めた資金で複数の不動産に投資し、その収益を分配する金融商品です。

証券取引所で株式のように売買でき、数万円から投資可能な手軽さと高い流動性が魅力です。

複数の不動産に分散投資することで、リスクを軽減できる点も大きなメリットと言えます。

運用はプロのファンドマネージャーが担うため、不動産の専門知識がない初心者でも手間をかけずに資産運用を始められます。

一方で、J-REITは元本保証がなく、不動産市場や株式市場、経済状況や金利上昇などの影響を受けやすく、価格や分配金の変動リスクがある点には注意が必要です。

安定した運用を求める方には不向きな側面もありますが、リスクを理解した上で取り組めば手軽かつ分散効果のある投資手段として最適です。

不動産投資をまずは小さく始めて長期的な資産形成を目指す方にとって、有力な選択肢の一つと言えます。

不動産投資型クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングとは、インターネット上の専用プラットフォームを通じて、多数の投資家から資金を集め、不動産事業に投資する手法です。

一般的に1口1万円程度から投資できるため、初心者でも少額から手軽に始められるのが特徴です。

運用はプロに任せられるため、専門知識も不要で、分散投資がしやすい点も魅力。

主なメリットとして少額投資が可能で、運用の手間がかからず価格変動も小さいほか、出資から資金回収までオンラインで完結します。

一方で、元本保証が無いほか、融資が使えない全額自己資金での投資で、基本的に途中解約ができない流動性の低さがデメリットです。

ただ、損失が出た場合に事業者の劣後出資分から先に補填される「優先劣後出資構造」により、一定の範囲内で投資家の元本が保護される仕組みがあり、安心材料となります。

案件の信頼性や運営会社の実績を事前に確認し、リスクを正しく見極めて投資判断を行うことが大切です。

不動産小口化商品

不動産小口化商品とは、不動産を小口の権利に分割し複数の投資家に販売することで、賃料収入や売却益などを出資比率に応じて分配する投資手法です。

商品によっては共有持分や所有権が得られる場合もあり、少額で実物資産を保有したい方にもおすすめ。

数十万円程度からプロが選定した不動産に出資でき、物件の管理や運用は事業者が行うため、投資家は手間をかけずに不動産収益を得られるのが魅力です。

不動産小口化商品の主な種類と特徴は、以下の通りです。

種類所有権の有無投資形態特徴
匿名組合型×出資により運用益を分配・少額から投資可能・登記なし
任意組合型⚪︎(共有持分)投資家と事業者が組合を形成・登記簿に名前が載ることもある
・相続対策に活用される
・投資額が高め
賃貸型⚪︎(物件の一部所有)所有権に基づく賃料収入・所有権登記が可能な場合あり
・安定収入が見込めるが管理リスクもあり

それぞれのスキームにはメリットとデメリットがあるので、投資目的や資産状況に応じた選択が重要と言えます。

中古区分マンション・ワンルームマンション投資

中古区分マンション・ワンルームマンション投資とは、中古のワンルームマンションなど、比較的安価な物件を1室購入して賃貸運用する方法です。

物件価格によりますが、数百万円台から始められるケースも多く、銀行融資を利用して購入する方が多いのが特徴です。

融資を利用すれば自己資金が少なくても投資を開始できるため、初心者でも手軽に取り組みやすい不動産投資と言えます。

新築や一棟物件に比べて購入価格が抑えられており、特に人気エリアでは安定した家賃収入を得やすいのも魅力です。

ローン利用時には団体信用生命保険に加入でき、万が一の際にも家族に資産が残る安心感があります。

一方、入居者がいないと家賃収入がゼロになるリスクや、管理費や修繕積立費などの維持率が必要などのデメリットがあります。

将来的な価格下落により家賃や資産価値が下がる可能性もあるため、空室リスクや維持費の負担などについて理解した上で慎重に判断しましょう。

築古戸建て物件への投資

築古戸建て物件への投資は、郊外などにある築年数の経過した一戸建て住宅を土地付きで購入し、自ら修繕を施して賃貸物件として貸し出す投資方法です。

地域によっては数百万円台から購入できる物件もあり、少ない資金で始められる点が大きな特徴です。

特にDIYが得意な方であれば、自分でリフォームを行うことで費用を抑えられるのも嬉しいポイント。

ただ、建築に関する基本的な知識や道具が必要となるため、初心者にはハードルが高いと言えます。

安く買って高利回りを狙えるという大きな魅力がある一方で、家賃が低めになりやすく空室リスクも高めです。

金融機関からの融資が通りにくい傾向があり、いざという時に売却がしにくい点にも注意が必要です。

物件の状態チェックや修繕費の見積もり、購入前の入念な準備と見極めが欠かせない投資法と言えるでしょう。

ヤドカリ投資

ヤドカリ投資とは、ヤドカリが貝殻を住まいにして引っ越すように、自分が住むために購入した物件を将来的に賃貸用として転用する不動産投資の手法です。

ヤドカリ投資の基本的な流れは以下の通りです。

  1. 自分の住居として物件を購入
  2. 数年間住んだ後、その物件を賃貸に出し家賃収入を得る
  3. 自分は別の物件に住み替え、元の物件は投資用として保有し続ける

ヤドカリ投資の最大のメリットは住宅ローンが利用できる点です。

通常の不動産投資ローンに比べて金利が低く、税制面でも優遇されるため、低コストで始めやすいのが特徴です。

購入直後は自ら住むため空室リスクがなく、住み替え後も安定した家賃収入を見込めるという点で、比較的安定した運用が期待できます。

一方、物件は居住用として購入されるため、経費計上ができず節税効果は限定的です。

ヤドカリ投資は住宅ローンの恩恵を受けつつリスクを抑えられる堅実な投資方法ですが、将来の賃貸を見据えた慎重な物件選びとライフプランに応じた活用が重要です。

少額で始める不動産投資のデメリット

少額で始められる不動産投資は初心者にも取り組みやすく、リスクを抑えた運用が可能です。

一方で、主に以下のように注意するべきデメリットもあります。

  • 大きなリターンは望みにくい(ローリスク・ローリターン)
  • 融資(レバレッジ)を活用できない
  • 投資できる案件が限られる

1つずつ解説するので、デメリットやリスクを理解した上で、自分に合った投資スタイルかどうかを見極めましょう

大きなリターンは望みにくい(ローリスク・ローリターン)

少額で始める不動産投資は、元本割れのリスクが比較的低く、家賃収入など安定したインカムゲインを長期的に得やすい「ローリスク・ローリターン」型の投資です。

レバレッジを効かせにくいため、大きな利益は期待しにくく、株式やFXのように短期間でキャピタルゲインを狙う投資とは性質が異なります。

また、分散投資によってリスクを軽減できる一方で、1件あたりの投資額が小さいことから、得られる利益も限定的です。

そのため、大きな損失を避けつつ、安定的に資産形成をしたい方や、安全志向の方には適した手法です。

一方、短期間で大きなリターンを狙いたい方や、不労所得で早期リタイヤなどの夢を早く実現したい方には不向きと言えるでしょう。

少額の不動産投資は、リスクを抑えて堅実に資産を築きたい方に適した手法ということを理解しておくことが大切です。

融資(レバレッジ)を活用できない

少額で始める不動産投資のデメリットの一つは、融資(レバレッジ)を活用しにくい点です。

レバレッジとは自己資金に加えて融資を活用することで、より高額な物件や複数の物件への投資を可能にし、投資効率やリターンを高める仕組みです。

少額の不動産投資では金融機関からの融資を受けにくく、基本的に自己資金のみでの運用となるため、レバレッジ効果が得られません。

その結果、投資規模が限られ、得られるリターンも比較的小さくなる傾向があります。

一方、融資を活用できる現物不動産投資なら、同じ自己資金でも大きな資産を運用でき、家賃収入や売却益などの収益も期待できます。

つまり、少額不動産投資はローリスクで始めやすい反面、レバレッジを効かせにくいため、リターンを狙いにくい点がデメリットと言えるでしょう。

投資できる案件が限られる

少額で始める不動産投資のデメリットとして、投資できる案件が限られる点も挙げられます。

少額の不動産投資の場合、対象となる物件や商品があらかじめ限られているため、自分の希望条件に合う案件を見つけにくいのが実情です。

利回りが高く立地条件の良い人気案件は、募集が始まるとすぐに枠が埋まり、投資のチャンスも逃しやすくなります。

特に、不動産クラウドファンディングの多くは案件数自体が少なく、投資家が選べるのは運営会社が選定した限られた案件の中からしか選べないケースも多いです。

そのため、投資の自由度が低く、そもそも希望するタイミングで投資できないリスクもあります。

ただ、少額から始められるという手軽さや運営会社による事前の審査や選定がある点は、不動産投資の初心者にとっては安心材料とも言えるでしょう。

それでも最初の一歩は不動産投資を小さく始めるべき理由

少額で始める不動産投資は手軽に取り組みやすいメリットがある一方で、レバレッジを効かせにくく、案件の選択肢が少ないなどのデメリットや注意点も存在します。

それでもなお、不動産投資の最初の一歩として「小さく始める」ことには大きな意味があります。

大きなリスクを抱える前に、投資の仕組みや流れを理解し、少しずつ経験を積んでいくことが将来的な成功に繋がるからです。

ここで、最初の不動産投資は小さく始めるべき理由を、以下の通り深堀していきます。

  • ローンを組まずに始められる(低リスクで安心)
  • 少額なので分散投資しやすい
  • 若いうちから始めて長期運用できる
  • 「サラリーマンはカモ」と考えている悪質業者に騙されずに済む

ローンを組まずに始められる(低リスクで安心)

不動産投資を小さく始める大きなメリットは、ローンを組まずに自己資金だけでスタートできる点です。

融資を利用しないため、毎月の返済や利息の支払いが不要となり、キャッシュフローが安定しやすく、精神的な負担も軽減されます。

空室や家賃滞納といった予期せぬトラブルが発生しても、ローン返済に追われて資金繰りが苦しくなる心配がありません

融資に必要な審査や担保設定などの煩雑な手続きも不要で、始めるハードルが低いのも魅力です。

万が一、損失が出た場合でも借金が残る心配がないため、自己破産のような深刻な事態に発展するリスクは低く、生活への影響も最小限に抑えられます

このように、自己資金の範囲内で始められる少額不動産投資は、リスクを抑えながら資産形成に挑戦できる、初心者に最適な投資手段と言えるでしょう。

少額なので分散投資しやすい

少額から不動産投資を始めることで、資金を複数の案件に分散でき、リスク軽減が可能になります。

例えば10万円の資金があった場合、1件の案件にまとめて投資するのではなく1万円ずつ10件の案件に分けて投資すれば、不調な案件の損失も他でカバーすることも可能です。

複数の投資先を持つことで特定の物件やエリアへの依存を避け、より安定した運用が期待できます。

不動産クラウドファンディングや不動産小口化商品などは1万〜10万円単位で投資でき、都心や郊外、マンションやアパートなど多様な物件に柔軟に分散投資が可能です。

一部の物件で収益が下がっても、他の投資先で補えるため、投資全体の安定性が高まります。

このように、少額から始める不動産投資は、初心者でもリスクを抑えて堅実に資産形成を目指せる魅力的な選択肢と言えるでしょう。

若いうちから始めて長期運用できる

若いうちから不動産投資を始めることには、多くのメリットがあります。

少額から始められるためハードルが低く、早期に資産運用をスタートでき、長期的な資産形成が見込めます。

ローンを活用する場合も返済期間を長めに設定できるため、定年までに無理なく完済しやすく、老後には安定した家賃収入にも繋がるのも嬉しいポイント。

さらに、長期運用による複利効果で資産が着実に増えていくのも大きな魅力です。

少額投資を通じて不動産投資の基礎知識や感覚を自然に身に付けやすくなり、物件選びや運用管理のノウハウも蓄積されます。

こうした経験は将来のより大きな投資にも役立ち、投資家としてのスキルアップにも繋がります。

若いうちに少額から始めて長期運用を行うことで、時間を味方に付けて安定収入と投資スキルの両方を着実に築くことが可能です。

「サラリーマンはカモ」と考えている悪質業者に騙されずに済む

少額の不動産投資は、万が一の損失が出た場合でもリスクを抑えやすく、高額な物件をいきなり購入して赤字に陥る事態を避ける手段として有効です。

「サラリーマンはカモ」と見なすような悪徳な業者に騙されにくくなる点もメリットです。

ただ、金額が少ないからと油断すると知識不足から粗悪な物件をつかまされる可能性もあります。

実際に高額な物件をローンで購入し、赤字になって返済に追われるケースも少なくありません。

だからこそ、最初は慎重に少額から始め、複数の業者や運営会社を比較しながら投資の仕組みやリスクについて理解を深めることが重要です。

少額投資でリスクを抑えつつ、小さく始めて実践経験を積むことで、確かな目と判断力を養っていきましょう。

不動産投資を小さく始めるには不動産クラウドファンディングがおすすめな理由

不動産投資を小さく始めたい方に特におすすめなのが「不動産クラウドファンディング」です。

少額の資金で手軽にスタートできるため、初心者でも挑戦しやすく、投資の第一歩として適した選択肢と言えます。

中でも、以下の3つのポイントが大きな魅力です。

  • 1万円から始められてリスクが小さい
  • 運用期間が数ヶ月~1年程度と短い
  • 複数の物件や地域に分散投資ができる

なお、おすすめの不動産クラウドファンディングサービスについては、以下の記事で詳しく解説しています。

気になる方はぜひ参考にしてみて下さい。

不動産クラウドファンディングおすすめ9選!話題のクラファンをランキングで比較

1万円から始められてリスクが小さい

従来の不動産投資と言うと、物件の購入に数百万円から数千万円という多額の資金が必要で、ハードルが高いイメージがありました。

ただ、近年では「不動産クラウドファンディング」という新しい投資スタイルが登場し、状況が大きく変わってきています。

多くの不動産クラウドファンディングでは、1万円前後の少額から投資を始めることが可能で、資金に余裕がない方や初心者でも手軽に挑戦できるのが魅力です。

さらに、多くのサービスでは「優先劣後方式」を採用しており、一定の損失までは運営会社が先に負担してくれるため、元本割れリスクを軽減できます。

この仕組みによって、リスクを抑えつつ小さく不動産投資を始められます

少額かつリスクを抑えた形で不動産投資を始められるため、不動産投資を小さく始める最初の一歩としておすすめの方法です。

運用期間が数ヶ月~1年程度と短い

不動産クラウドファンディングの大きな魅力は、運用期間が数ヶ月から1年程度と短めに設定されている点です。

短期間の運用により、資金が長期間拘束されることなく、比較的早い段階で投資結果を確認することが可能です。

そのため、初心者にも安心して取り組みやすい投資方法と言えます。

また、短期間で運用が終わるため、投資のタイミングや市場の変動をより柔軟に調整でき、運用期間のズレを利用して複数の案件に分散投資することも可能です。

これにより、リスクを抑えながらも効率的に資産を増やすチャンスを得られます。

このように、短期間で結果が見える不動産クラウドファンディングは、資金を迅速に運用したい方に最適な選択肢と言えるでしょう。

複数の物件や地域に分散投資ができる

不動産クラウドファンディングは少額から複数の案件に投資できるため、物件や地域を分散しやすく、リスクを抑えた運用が可能です。

例えば、異なる都市や物件タイプに同時に投資することで、特定の地域や物件で問題が起きても他の案件でリスクをカバーしやすくなります。

さらに、複数のサービスを併用すれば、運営会社自体のリスク分散も図れるため、より安定した投資が可能です。

こうした分散投資の仕組みにより、元本割れや自然災害といったリスクを最小限に抑えつつ、安定した収益を目指せるのが大きな魅力です。

リスクを分散しながら投資できるため、小さく不動産投資を始めたい方にも取り組みやすい投資方法と言えます。