不動産クラウドファンディングはやめとけと言われる理由は?口コミを元にリスクを解説

不動産クラウドファンディングは少額から始められる手軽な投資方法として人気がありますが、「やめとけ」といったネガティブな口コミや評判も目立ちます

「本当に安全なのか?」という疑問や、過去の失敗事例を耳にすると不安になってしまいますよね。

一方で、運用の手間が少なくリスクが低いなど、様々なメリットも存在しています。

そこで、この記事では、実際に不動産クラウドファンディングを利用した方達の口コミや体験談を紹介すると共に、メリットやデメリット、注意点まで詳しく解説します。

仕組みをしっかり理解した上で挑戦するかどうか、判断基準の参考にしてみて下さい。

目次

不動産クラウドファンディングが「やめとけ」と言われる理由・デメリット6選

不動産クラウドファンディングが「やめとけ」と言われる理由や主なデメリットは、以下の6つです。

  • 元本割れなどで失敗するリスクがある
  • 利回りが高いプロジェクトは早い者勝ちですぐに埋まってしまう
  • 事業者が無名で怪しいと感じる。信用できるかわからない
  • 運用期間中に解約できないプロジェクトが多い
  • 税金の優遇がなく、利益に対して課税される
  • 不動産の所有権が持てず現物資産にはならない

1つずつ詳しく解説します。

元本割れなどで失敗するリスクがある

不動産クラウドファンディングは少額から投資を始められる一方で、元本割れのリスクも抱えています。

たとえ「元本割れゼロ」の実績があったとしても、将来にわたって保証されるとは限りません。

不動産市場は常に変動しており、物件の売却価格が購入額を下回った場合や、賃貸収入が期待通りに得られなかった場合には、元本割れが発生する可能性はあります。

また、運営会社の経営悪化や不動産価格の下落によって、投資額が減少するリスクも考えられます。

不動産クラウドファンディングを利用する際は、慎重に投資先を選び、リスクを充分理解しておくことが大切です。

利回りが高いプロジェクトは早い者勝ちですぐに埋まってしまう

不動産クラウドファンディングでは、高利回りプロジェクトへの投資チャンスを得ること自体が少ないことも珍しくありません。

特に先着順で募集される案件は、募集開始から数分で枠が埋まることもあり、素早い判断と行動力が求められます。

最近では抽選方式を採用する案件も増えていますが、応募者が殺到して倍率が非常に高くなるため、応募しても投資できないケースが多いのが現状です。

例えば、以下の記事では高利回りプロジェクトの人気の高さについて解説されています。

現在募集されているファンドの運用期間は 1 年以内、運用利回りは年利 4%半ばが大宗となっている。

また同時期に募集されたキャピタルゲイン型の運用期間は 12 か月から 18か月と長いものの、運用利回りは年利 3 ~ 6%程度とばらつきが大きい。

現在のところいずれのタイプも、運用期間が短いものの高利回りで投資家の人気が高く、ファンド募集が開始されて早々に売りれてしまう CF 業者が多いようである。

引用元:「わが国投資型クラウドファンディングの現状を考える」『季刊 個人金融 2020 秋』一般社団法人ゆうちょ財団

また、実際の口コミでも高利回り案件の競争率の高さが語られていました。

不動産クラファン コヅチの新ファンド中央区銀座商業ビルが3/25から応募開始!
想定利回り8.5%!運用期間1年で短め!
こちら1万円から投資可能なので余剰資金ある人は少しいれてみてもおもしろいかも!毎回人気で抽選になるけど💦🥺

引用元:X

このように、人気案件に投資する際にはタイミングを逃さないことが重要です。

事業者が無名で怪しいと感じる。信用できるかわからない

不動産クラウドファンディングは、手軽に少額から始められる投資方法として注目されています。

ただ、運営事業者が無名の場合は信頼性が確認できず、怪しいと感じて不安もついて回ってしまいます。

特に、情報開示が不十分なプラットフォームや、実績が少ない企業には注意が必要です。

そのため、信頼性の高い運営会社が提供する不動産クラウドファンディングサービスを選ぶことがリスクを減らす上で重要と言えます。

運営実績や情報開示の透明性が確保されているサービスを選べば、安心して資金を投じることが可能になるでしょう。

運用期間中に解約できないプロジェクトが多い

不動産クラウドファンディングの多くは、運用期間中に中途解約ができない仕組みになっています。

運用期間は数ヶ月から数年にわたり、その期間は資金が拘束されるため、急な出費や資金需要に対応できません。

株式投資のように、好きなタイミングで現金化できない点は、あらかじめ理解しておく必要があります。

一部サービスでは途中解約が可能な場合もありますが、手数料が発生したり譲渡先の確保が必要だったりと条件が厳しいケースがほとんどです。

実際に、資金流動性の低さについて不満を漏らす口コミも見られました。

まだ当面、株の買い時は続くと考え、COZUCHIの途中解約が可能な2案件の合計150万円の売却申請をしました。今月末に振り込まれる予定。
これらを現金化すると残りの不動産クラファンは全て運用終了まで現金化はできないので、150万円使い果たしたら次の償還までは死んだフリするしかありません😇

引用元:X

上記のようなデメリットを踏まえ、運用期間や流動性に応じて案件を選ぶことが重要です。

税金の優遇がなく、利益に対して課税される

不動産クラウドファンディングには、現物の不動産投資のような節税効果はありません。

クラウドファンディングで得た分配金は「雑所得」として扱われ、20.42%(所得税20%+復興特別所得税0.42%)の源泉徴収税があらかじめ差し引かれます。

基本的には、分配金受け取り時に自動で税金が引かれるため、納税手続きは不要です。

ただ、雑所得が年間20万円を超える場合は確定申告が必要になるため、その手間も考慮しておきましょう。

なお、アパートやマンションを所有する場合は、減価償却を利用して所得税を軽減したり、相続税対策として活用できたりするケースもありますが、クラウドファンディングでは期待できません。

税金面での優遇がないため表面利回りより手取りが減る点を理解した上で、投資判断を行うことが重要です。

不動産の所有権が持てず現物資産にはならない

不動産クラウドファンディングでは、一般的に匿名組合契約が使用され、投資家は不動産そのものの所有権を持つことができません。

登記もされないため、現物資産としての価値を享受できず、担保にしたり相続対策に活用したりできません

このようなデメリットも「不動産クラウドファンディングはやめとけ」と言う意見が多い理由の一つです。

一方、現物の不動産と比べて管理や運営の手間は少ないため、手軽に不動産市場に参加する手段としては魅力とも言えます。

現物不動産の所有権を持てないと言うデメリットをを踏まえ、あくまでも現物資産とは異なる投資手段であることを理解しておきましょう。

不動産クラウドファンディングの口コミ・評判は?実際にやってみた人の感想を調査

不動産クラウドファンディングを実際に利用した方の口コミや評判をご紹介します。

ポジティブな口コミとネガティブな口コミを紹介するので、不動産クラウドファンディングを行う際の判断基準として参考にしてみて下さい。

ポジティブな口コミ

不動産クラウドファンディングのポジティブな口コミをご紹介します。

らくたまのらくたま14号(川崎多摩区①)が償還されました㊗️㊗️㊗️
ありがとうございました😍🥰😘

引用元:X

1年程前、気まぐれに1件だけやったCozuchiからお金が帰ってきた!
20万円が1万5千円ほど増えた🤗

引用元:X

【2025年2月分】
2023.4から始めた不動産クラウドファンディング(コヅチ(@COZUCHI_laetoli))の分配金

分配金 :130,755円
分配総額:371,669円
※税引後ですよ!

引用元:X

不動産クラウドファンディングでは、プロジェクトが順調に進むと予定より早く運用が終了し、元本含め資金が早期回収されるケースがあります。

例えば、COZUCHIで1年運用・年利8%予定だった案件が半年で償還された例などがありました。

「らくたま14号」の償還報告で安心感がある一方、運用期間が短くなることで「思ったより儲からなかった」という印象を持つ人もいます。

利益は計画より減る場合があるものの、元本回収の確実性が高まる点はポジティブに捉えられているとも言えます。

ネガティブな口コミ

不動産クラウドファンディングにはいくつか注意点があるため、ここではネガティブな口コミをご紹介します。

Rimpleさん、新しい案件が来ないですね。
1カ月音沙汰なしです。
寂しいですね。

引用元:X

「Rimpleの案件数が少ない」という口コミがありました。

不動産クラウドファンディングではサイトに登録しても新しい案件がなかなか出ないこともあります。

大手のサイトや複数のサイトに登録し、案件数が豊富なサービスを選ぶことが重要です。

cozuchiの南青山微妙ねぇ。
今回は上振れ想定なしの4%だし。

フェーズ2での優先投資のために今回から応募って感じかなぁ。
どうせ当たらないんだろうな

引用元:X

人気の案件は抽選で当たらないことが多いため、必ずしも投資できるとは限らない点も理解しておきましょう。

ようつべで不動産クラウドファンディングがお勧めされてたけど、それならJ-REITの銘柄買うほうが安心かなぁ
利回りに釣られて投資したら後で後悔しそう

引用元:X

「上場している不動産投資信託のREIT(リート)の方がいいのでは」という意見もあります。

REITは流動性が高く、いつでも売却できるメリットがありますが、価格変動が大きく元本割れのリスクもあります。

一方、不動産クラウドファンディングは元本割れ実績が少なく、自分で案件を選べるのが特徴です。

口コミや評判を参考にデメリットを理解しつつ、目的やリスク許容度に応じて賢く選択しましょう。

不動産クラウドファンディングをやめておいた方がいい人

不動産クラウドファンディングを避けておいた方がいい人の特徴は以下の3つです。

  • 利回り10%以上といった高い利回りを求める人
  • 完全な元本保証を求める人
  • 1年以内に現金が必要になる可能性がある人

それぞれ詳しく解説します。

利回り10%以上といった高い利回りを求める人

不動産クラウドファンディングは、高い利回りを求める方にはあまり向いていません。

多くのプロジェクトの想定利回りは5〜10%程度で、10%を超える案件は稀です。

株式投資のように短期間で資産が2倍、3倍になるような高リターンは期待できません。

特に想定利回りが高い案件は物件売却による利益に依存していることが多く、売却不調や不動産価格の下落によって元本割れのリスクが高まる点に注意が必要です。

また、商業施設やホテルなど市場変動の影響を受けやすい物件では収益が安定しないこともあります。

安全性を重視する場合は、年利3〜5%程度の安定運用型案件を中心に選ぶといいでしょう。

完全な元本保証を求める人

完全な元本保証を求める方には、不動産クラウドファンディングには向いていません。

不動産クラウドファンディングは、基本的に元本保証のない金融商品です。

過去に元本割れが一度もないことを謳うサービスが多くありますが、あくまで過去の実績です。

不動産価格が下落し、事業者が損失をカバーできなければ投資した元本が割れ損失が発生するリスクはあります。

「絶対に損をしたくない」という方は、預貯金や個人向け国債など、元本保証のある金融商品を選んだ方が安心かもしれません。

不動産クラウドファンディングに投資する場合は、リスクを許容できる範囲で資金を配分することが重要です。

1年以内に現金が必要になる可能性がある人

1年以内に現金が必要になる可能性がある方には、不動産クラウドファンディングはおすすめできません。

多くの案件では運用期間中に中途解約が認められておらず、投資資金が拘束されるためです。

短期ファンドでも最低3ヶ月は現金化できず、急な資金需要には対応できません

一般的に1年前後の運用期間が設定されており、その間に資金を引き出すことはほぼ不可能です。

仮に解約が可能な場合でも解約金の発生や元本割れで損失が出るリスクもあります。

従って、最低でも1年間は使う予定のない余剰資金を充てることが重要です。

急な出費の可能性が高い方や、預金に余裕がない方にとってはリスクが高い投資手段と言えるでしょう。

生活防衛資金を確保した上で、充分な余裕資金がある方のみ検討することをおすすめします。

知っておきたい不動産クラウドファンディングのメリット

不動産クラウドファンディングには注意点やデメリットがありますが、それ以上に注目するべきメリット3つをご紹介します。

  • 少額から不動産投資を始められる
  • 運用の手間がかからない
  • 実物不動産に裏付けされていて透明性が高い
  • 損失が出る場合、劣後出資である事業者側が先に損失をカバーする

それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。

少額から不動産投資を始められる

不動産クラウドファンディングの大きな魅力は、少額から投資を始められる点です。

通常、現物不動産を購入するためには数百万から数千万円単位の資金が必要ですが、クラウドファンディングでは、1口1万円程度から投資可能です。

さらに、個人では手が届きにくい大型商業施設やホテルといった高額物件にも少額で分散投資できるのも嬉しいポイント。

そのため、リスクを抑えながら幅広い物件に複数の投資ができるメリットも生まれます。

低い最低投資額の仕組みは、初心者や小口投資家にとって大きな参入障壁を下げ、より多くの方に不動産投資のチャンスを広げる要因となっています。

運用の手間がかからない

不動産クラウドファンディングの魅力の一つは、運用の手間がほとんどかからない点です。

現物不動産投資では、物件選びから購入手続き、登記や入居者管理など、様々な作業が発生し、かなりの時間と労力を要します。

一方、クラウドファンディング型の投資では、全ての手続きや管理を事業者が代行してくれます。

投資家は案件を選び資金を出資するだけで運用がスタートし、賃料収入や売却益の分配の受け取りを待つだけと言う仕組みです。

そのため、忙しい方や運営に手間をかけたくない方にとって非常に適しています。

また、現物不動産の場合は賃料の5〜8%程度が管理会社の手数料として差し引かれるケースが一般的です。

一方、クラウドファンディングでは管理手数料が発生しないことも多く、コスト面でも効率的に投資ができるのも魅力です。

実物不動産に裏付けされていて透明性が高い

不動産クラウドファンディングは、実物不動産に裏付けされた投資であり、透明性が高い点も大きなメリットです。

国土交通省のガイドラインにより、事業者は物件情報や運用の進捗状況の開示が義務付けされており、投資家は案件の状況をリアルタイムで把握できます。

また、2019年に制定された不動産特定共同事業法の電子取引業務ガイドラインにより、事業者の業務管理体制やリスク対策が標準化され、業界全体の健全化が進められています。

加えて、実物不動産の収益構造に基づくため、株式などの金融商品に比べて価格変動リスクが低く安定したリターンも期待できます。

契約前には物件の詳細やリスク要因、運営会社の財務状況などの情報開示が義務付けられているため、充分な判断材料が得られることもメリットと言えるでしょう。

損失が出る場合、劣後出資である事業者側が先に損失をカバーする

不動産クラウドファンディングのメリットとして、「優先劣後構造」によって損失リスクが抑えられている点も挙げられます。

不動産価格の下落などで損失が発生した場合、まず事業者側が拠出する「劣後出資分」で損失をカバーします。

そのため、劣後出資で吸収しきれない場合に限り、投資家の元本が減る仕組みです。

さらに、投資家が出資した金額(元本)以上に損失が発生することはありません

この仕組みは、貸付型クラウドファンディングで投資家が損失を被った過去の事例を教訓に、不動産投資の特性に合わせたリスク軽減対策として発展してきました。

以下の資料では、仕組みの背景や投資家保護の意図が詳しく解説されているので、ぜひ合わせてご覧ください。

不動産業者自らが拠出する部分は劣後出資とし、運用が失敗した際には最初に劣後出資部分で損失を吸収して投資家が被る損失を出来るだけ軽減している。こうした投資家の損失を軽減する措置が講じられたのは、不動産投資型 CF が立案された時期に貸付型 CF 業界で投資家が損失を被る事故が相次いだことを意識し、運用が失敗した際の投資家への影響を食い止める工夫として考案されたものであろう。

引用元:「わが国投資型クラウドファンディングの現状を考える」『季刊 個人金融 2020 秋』一般社団法人ゆうちょ財団

不動産クラウドファンディングはよく比較して選ぼう

この記事では、不動産クラウドファンディングのメリットやデメリット、注意点について詳しく解説しました。

「不動産クラウドファンディングやめとけ」と言われてしまう理由も、口コミや評判を元に深堀りできたのではないでしょうか。

不動産クラウドファンディングのサービス選びの際には、口コミや評判をチェックすることが大切です。

大手企業や上場企業が運営するサービスはリスクが低く、案件数が多いほど潰れる可能性が少ないのも特徴です。

また、必ずしも元本割れのリスクがないとは言い切れませんが、元本割れゼロの実績があるサービスは安心感が高いでしょう。

メリットやデメリット、注意点をしっかり理解した上で、不動産クラウドファンディングに挑戦してみて下さい。